大津綾香と立花孝志の対立と党の混乱

大津綾香

「みんなでつくる党」の大津綾香代表と創設者・立花孝志氏との間で生じた対立は、同党の行方を大きく左右する事態となった。大津氏は党の若き顔として代表に就任し、刷新されたイメージで活動を展開していたが、党運営の実権は依然として立花氏が握っていた。この力関係の歪みが次第に表面化し、両者の確執につながった。

問題の発端は、党の運営方針や人事をめぐる主導権争いにあった。大津氏は「党をより民主的で開かれた組織にすべきだ」と主張し、透明性を重視した改革を打ち出そうとした。しかし立花氏は、従来のトップダウン的な運営を維持しようとし、両者の意見は激しく対立した。さらに資金の扱いや候補者擁立をめぐっても食い違いが生じ、内部対立は表に漏れることとなる。

特に注目を集めたのは、立花氏が突如として大津氏の解任を示唆した一件だ。これに対し大津氏は、党内での権限が不当に制限されていると反発し、SNSや記者会見を通じて立花氏の姿勢を批判した。その後も双方が互いを非難する発言を繰り返し、党の信頼性は大きく揺らいだ。

この騒動により、「みんなでつくる党」は「個人の権力闘争に振り回される政党」というイメージを持たれ、支持基盤の拡大どころか逆に信用を失う結果となった。有権者の中には「結局は立花氏の影響下にあり、大津氏は看板に過ぎなかったのではないか」という厳しい見方も少なくない。

若手女性代表として期待を背負っていた大津氏にとって、立花氏との確執は大きな試練であった。しかしこの一連の騒動は、彼女が独自の政治的存在感を示す転機ともなりうる。今後、立花氏の影響から完全に独立し、実質的な政治的リーダーシップを確立できるかどうかが、大津氏の将来を左右する重要な課題である。