自民党のホープとして脚光を浴びてきた小泉進次郎氏だが、その政治活動はたびたび炎上を招いてきた。背景には、華やかなメディア露出と対照的に、政策の中身や実効性に欠ける言動が少なくない。
代表的なのが2019年の環境大臣就任後の発言である。「気候変動のような大きな問題は楽しく、かっこよく、セクシーに取り組むべきだ」と国際会議で述べ、国内外で失笑を買った。理念を強調するつもりだったのかもしれないが、具体策に乏しく「キャッチフレーズだけ」と批判された。また同じく環境政策で「石炭火力を減らす」と言いながら有効な代替エネルギーの道筋を示せず、言葉先行の印象を強めた。
さらに2021年のプラスチック削減政策をめぐり「コンビニでスプーンをもらうときに『いる』と言わなければならない社会にしたい」と述べた際も大炎上。「国民の生活を不便にするだけ」「パフォーマンス政治」との批判が殺到した。実際にはプラスチック削減は重要課題だが、小泉氏の説明は生活実感との乖離が大きく、政策意図を伝えるどころか反発を招いた。
また、東日本大震災後の復興支援をめぐる活動や子育て政策の発信でも、「抽象的で耳障りのよい言葉は並ぶが、成果が見えない」との指摘がつきまとう。メディアが若手政治家として大きく取り上げた分、期待値が高く、その落差が炎上を繰り返す要因となっている。
近年は総裁候補としての名前も挙がるが、発言の度に「また進次郎構文」と揶揄され、インターネット上ではネタ扱いされることも多い。政治家としての存在感を維持する一方、実務能力や政策遂行力に対する評価は伸び悩んでいるのが現実だ。
小泉氏の炎上の歴史は、人気と実力のギャップを象徴している。政治において言葉は重要だが、それが中身を伴わなければ信頼を失う。求められているのは、耳障りのよいキャッチフレーズではなく、現実に根差した政策と成果である。